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カニシューマイ度1000%


「…ということなので、できるだけ早く帰って来なさい。」
「…えぇ〜っ?!!」

  実家から突然の「帰って来なさいコール」を受け、気がつくと…予定外の空の旅。
今月は想像もしていなかった日本一時帰国、たっぷりと蒸し暑い水分を含んだ空気の東京よりエッセイをお送り致します。
今まで避けて来た日本のサマーシーズン。
真夏は40℃を超えるイタリアに慣れてはいるので、暑いぶんには問題ないのですが…蒸し器の中にいるようなこの湿気にどうも体がついていきません。
そう、カニシュウマイになった気分です。

 そんな中、東京の実家では現在、大引っ越し作業が繰り広げられています。
部屋の整理を開始するやいなや、自分の収集癖のハイレベルさに目が点に。
何の役にも立たないものが次から次へと出てくる出てくる…。
レストランや喫茶店のマッチを始め、大量の便せん&封筒コレクション、
様々な絵柄の鉛筆コレクション、サンリオショップの包装紙やリボン、
ラムネ瓶やビー玉、海辺で拾った貝殻に色とりどりの小石の数々。
一番古いものでは小1の時にもらった、香り付きのイラスト・ティッシュと鈴付きのミニコロンがありました。
かれこれ36年前の品物です。
その他もちろん大量の交換日記や手紙の入ったバスケットまで出て来て…。
なにかを発掘する度に作業の手は止まり、気がつくと心は、長い間忘れていた想い出の世界にタイムスリップ。
片付けどころかついつい時間を忘れて楽しんでしまっている自分がいます。
それにしてもこの収集癖はまるで、ほっぺたの中にモノを溜め込む「リス」のよう。
そういえばイタリアでも「king of リス」と呼ばれていたなぁ。

 そして外では今日もシュウマイ蒸し器の太陽が笑っており、
そんな暑さを少しでも忘れようと注文するものは、昔懐かしのクリームソーダ。
イタリアではお目にかかれない、貴重な飲み物です。

2010年7月23日
夢のような暑さの東京より。
高野倉さかえ

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