5月のトスカーナはやわらかな緑の丘に燃えるような赤のポピーが踊り、オリーブの木々の脇にはフィレンツェ・アイリスの紫がひらひら。菜の花もコデマリも、何もかもが賑やかです。
そんな田舎の風景を歩いていると、道端で地面を見つめながらなにやらうろうろ〜と探しものをしている怪しい人々…。実はこれ、野生のアスパラガス狩りの人々なのです。野生アスパラは市販のものの鮮やかな緑に比べて色が全体的に黒く、木々の下に潜んでいるのでなかなか目につきにくいのですが、みつけたときの感動と美味しさはもう格別。こんなところにふと、イタリア人たちの食へのこだわりが見えるような気がしました。
一方、青空を見上げると、風に乗って流れて来るなにやら白い物体。ふわふわとやわらかく、半透明な綿のかたまりのようなものが空を染めてゆく光景はまさしく「青空に舞う5月の雪」。しかしその美しさにみとれていると、涙で風景が霞み、くしゃみ、鼻水、咳コンコン…。日本のスギ花粉には負けなかったのに、この強力な花粉は一体何だろう?と、毎年春になる度に疑問に思っていたのですが、「樫の木の花粉じゃないの?」「いやアカシアよ〜。」「まぁ、なにかの花粉だよ。うんうん♪」と地元の友達はそれぞれ曖昧な答えを返して来る。ここで生まれ育ったのに、どうしてみんな知らないのよ〜?と首を傾げながらも早15年。でも今年は「60歳以上の人に聞けばわかるかもよ?」という画期的なアドバイスに従い、ようやく答えを見つけることができました。花粉だとばかり思っていた綿毛は、どうやらポプラの種だそうです。そうするとこの症状は、花粉症ではなく種アレルギー?? またまた新たな疑問が浮かび上がってきてしまいました。
2008年5月10日 青空のアトリエより
高野倉さかえ