透き通った大気の中に、星屑のようなイルミネーション。 12番目の月です。 今年も再び、あの輝く季節がやって参りました。 フィレンツェという名の、不思議の国。 暖かな秋に旅立ち、冬の気温の訪れと共に日本へと帰国した為 戻るとすぐに待っていたのは、少し遅めの大量の衣替えです。(笑) 思えば、フィレンツェの秋は暖かかった。 そして間の季節が存在しないかのように、ある日突然大気の色が激変し 外はいきなり、骨まで染みるような凍える寒さになりました。 クリスマス準備に忙しい街は、日本ではほぼ使う機会の無かった分厚いマフラー大活躍の季節です。 何重にもぐるぐる巻きにしたマフラーの中に首をすくめて歩く。 アカデミア時代の同級生と腕を組み、お互いの体温で暖をとりながら ガタガタの石畳を、寒くなんてないよと強がるように軽やかに闊歩する。 どこからかやって来る大道芸人の音楽。 クリスマスマーケットの広場に近づくと、vin bruléというホットワインの香りが クリスマス菓子の放つスパイスの芳香と共に、ほんのりと風に乗ってやって来ます。 この時期独特の雑踏。懐かしい感覚です。 今まで普通だった、でもしばらく忘れていたあの日常が、今年もそこには変わらず息づいていました。 大空いっぱいに輝きを放つ、イルミネーションの星屑たち。 それは多くの色を使わず、ほとんどが1色のみで構成されたとてもシンプルな光の装飾です。 しかし幾千もの色彩にも勝るような、あぁ、ただただ口を開けて見惚れてしまう美しさです。 開いた口から浮かび上がる、白い息。 その奥では、大慌てて作業を進める巨大モミの木のクレーンたち。 美しさも、このギリギリの慌てっぷりも、ここではスペシャルな日常。 そしてこの国の12月は進んで行きます。 Che la magia del dolce Natale Vi porti pace e serenità. Buon Natale ed uno splendido anno 2026! 皆さま、今年もたくさんの素晴らしい瞬間をそして笑顔を有り難うございました。 皆さまにいただいた数々の輝きが最強のエネルギーとなり 病める時も健やかなる時も、私を支えてくださいました。 星屑の煌めくこの季節、穏やかで暖かな想いの溢れた時間が皆さまの日々を美しく彩りますように。 喜びと健康に満ち溢れた年末、そして新年をお迎えください。 2026年もどうぞよろしくお願いいたします。 2025年12月23日 アトリエの窓より。両手いっぱいの感謝を込めて。 高野倉さかえ